原告が作成した、振動計測プログラムを元に、被告がサイレントロボを作成した流れを説明します。
騒音振動測定プログラムは、訴状では本件プログラム3としています。

原告が作成した、発破振動測定プログラムを元に、騒音振動測定プログラムが作成されたことを発見。

ソースコードは甲8号証で、スクリーンショットは甲第9号証です。
明かに、原告のプログラムを元に、騒音振動測定プログラムが作成されたことが分かる。
そして、本件プログラム3は、サイレントロボにも使われていること思われ、そのことを告げる。

すると、被告は、被告独自で制作したもので、本件プログラム3より前にサイレントロボが作成されており、本件プログラム3を基礎にしていないとし、ソースコードは開示しないと回答する。

それに対し、原告は被告がサイレントロボを作成した平成15年10月より前に、本件プログラム3と同等のプログラムを納入しており、それを元にサイレントロボを作成したと告げ、ソースコードの開示を求める。

すると、被告はソースコードの開示を逃れることが出来ず、 やむなしにソースコードの開示をした。

開示されたソースコードが、乙第23号証になります。

それに対し、原告は、サイレントロボのソースコードではなく、偽物のソースコートと主張する。
その根拠として、サイレントロボの仕様書(乙第3号証)及び サイレントロボのカタログ(乙第4号証)によれば、サイレントロボの測定チャンネル数は、4チャンネルとなっています。
しかし 提出されたソースコードは、測定チャンネル数が、チャンネルとなっており、サイレントロボの仕様と一致しないと指摘する。

そして、そのソースコードは、サンプルプログラムに少し手を加えた程度の簡素なもので、バグも有る使い物にならないもので、到底サイレントロボのものと思えない。

乙第23号証では、サイレントロボの機能(仕様)を満たしていなく、被告が苦し紛れに本訴訟のために作成したプログラムと考える。 

この2チャンネルしか測定していないことに対しての被告の反論が、

法規制上、鉛直方向の1チャンネルのみで大丈夫と述べ、発注により3チャンネルにも対応可能と言う事だと反論してきた。
サイレントロボの仕様書と違うと言っているのだから、法規制が如何であろうが関係ない。
そして、発注されたら対応と言うが、制作仕様書としてあるのだから、既にこの仕様で発注されているもので、その仕様を満たしていない乙23号証のソースコードは契約不履行に相当する。
この事は、裁判所からも問われて、「要望があった時に対応の認識で良いか」に対し、「はい」の回答でした。
そして 「以後、他の現場を含め4箇所にする要望はありましたか」の問いに、「ありません」の回答でした。
と言う事は、サイレントロボによる騒音振動計測は、すべて2チャンネルで、振動は鉛直方向の測定しかしていない事になります。

この乙23号証が、サイレントロボのソースコードでない根拠が、他にも沢山あり、第13準備書面の第2「原告の主張」で述べています。

それを要約すると、
●サイレントロボの測定チャンネルが2チャンネルで鉛直(Z)方向しか測定していないのは不自然である。
原告はこれまで被告から、多くの振動測定プログラムを請負ったが、すべて3方向(XYZ方向)を測るもので、それがより精密な振動を捉えるもので理想と考える。
しかし サイレントロボは被告の代表的な商品にもかかわらず、鉛直(Z)方向しか測定していない。そして3方向に変更する事も簡単にできるにも拘わらず、そうしていないのは、この乙23号証のプログラムは、実用として使われていないことを意味する。
デジタル表示機能がない
デジタル表示の命令と思われるコードが、コメントアウトされていて機能していない。
準備書面9で、デジタル表示が計2箇で有ることが、2チャンネル測定の根拠と述べているが、表示機能が備わっていない、乙23号証はサイレントロボのソースコードでない。
●測定データの選出方法に誤りがあり、目的の騒音及び振動を捉えることが出来ない
このプログラムは、1秒単位での処理を行ています。10Hz測定なので、10個のデータ単位で、その中から代表値を選出し、後の処理に使われます。
その選出データに、最大値を求めないと行けないのに、乙23号証では、最小値を求めるコードになっており、正常な動作が出来ない。
●仕様である、測定データのサンプリングが10Hzになっていない。
●仕様である、全データ保存になっていない。
●仕様である、保存データの種類が足らない。

以上の事を考えると、乙23号証がサイレントロボのソースコードであることは、考えられない。
しかし 実際にサイレントロボが動いているのは間違いない事で、そのプログラムは、必ず存在します。
真のサイレントロボのプログラムは、原告の作成したプログラムを元に作成されたものと考える。